なぎさ海道

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特集

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vol.2
2014.11.28


釜揚げシラス



ちりめん


釜揚げ、ちりめん、しらす干し
何が違うの?
シラスという魚の正体は分かりましたが、さらに食材となると、「釜揚げ」、「ちりめん」、「しらす干し」などの名称が出てきます。

さて、その違いは?

「釜揚げしらす」は、その名の通り、とれたての生のシラスをその日のうちに大釜でゆでて、湯切りをして出荷されたものをいいます。ちなみに、大阪府Eマーク食品(素材・製法ともに地元“大阪”にこだわってつくられた商品)では、「大阪府内に在住する漁業者が大阪湾で漁獲したシラスを、漁獲した日に大阪府内の工場で釜ゆでした、水分が55%を超えるもの」という認証基準があります。

「ちりめん」は、釜揚げしらすを天日または機械乾燥させたものをいいます。
大阪府Eマーク食品認証基準では、「釜揚げしらすを乾燥させた、水分が55%以下のもの」となります。

「ちりめんじゃこ」と「しらす干し」の名称は混乱しますね。「しらす干し」は生乾きで、「ちりめんじゃこ」はよく乾燥したもの、という解釈も有力です。
一方で、釜揚げしらすを乾燥させた製品を、関西では「ちりめんじゃこ」、関東では「しらす干し」、と呼んでいるという説もあります。厳密な区別というよりは、加工業者がそれぞれの地域で、より消費者に喜ばれる加工を工夫して、独自の基準を設けて名称をつけているともいえそうです。


大阪湾ではシラス漁が
こんなに盛ん!
「シラス漁」は大阪湾を代表する漁業です。平成25年の国内のシラス漁獲高は、1.兵庫県 2.静岡県 3.愛知県 4.愛媛県 5.大阪府の順位です。大阪湾に隣接する兵庫県と大阪府が1位と5位を占めています。また、大阪府全体の漁獲高の魚種別割合は、1.カタクチイワシ 2.シラスとなっています。

大阪湾のシラス漁がこれほど盛んになったのは、いつごろでしょうか。
「昭和30年前後は、兵庫県の西宮や芦屋の浜(埋め立て前)で、イリコ(出し取り用)にするカタクチイワシの漁を行っていました。昭和40年ごろからは船びき網でシラス漁をしていたはずです」と北村さん。

近年の需要はすっかりイリコからシラスに移り、大阪湾では盛んにシラス漁が行われるようになりました。

Vol.1の中西先生の話にもあるように、埋め立てなどによる環境変化の影響で、貝類やヒラメなどの海の底に生息する魚介類は減少していますが、シラスは回遊魚なので、栄養豊かな水質の大阪湾では比較的安定して、質の良いシラスが捕れます。

農林水産省統計情報より



農林水産省統計情報より


大阪湾のシラスを使った料理の開発
1位「揚げパン」、2位「キッシュ」
辻学園調理・製菓専門学校、栄養専門学校では、大阪湾で捕れたシラスを生かした商品開発の授業を2014年8月に実施しました。この授業は、4~5人ずつのグループ8班が、競ってアイデア商品を創作します。1回目は宮城県石巻の「秋刀魚の新しい缶詰」、2回目は秋田県の「桃豚を使ったワンハンドメニュー」、そして3回目が「大阪湾のシラスを使った料理」。

1位は、揚げパンの中にシラスと野菜が入った《爆包しらすまん》、2位が釜揚げしらすと野菜が入ったキッシュ《キッシュ・デ・シラス》でした。

評価のポイントは、味の良さ、商品化のしやすさ、シラスの使い方の意外性やインパクトなど。
審査を務めた北村さんは、「揚げパンは商品化できそう。中身のシラスの量を増やすともっと良くなる。キッシュは、とにかくうまかった」とコメント。

「この授業は、石巻の復興や、秋田ブランドの知名度アップ、そして大阪湾の魚介類のイメージアップという、
社会的な課題解決に一役買おうという学生を育成したいという当校の思いで開設しました」と、
広報の加藤大輔さんは話します。

《爆包しらすまん》が、大阪湾の味として商品化されるといいですね!
レシピはこちら

1位 《爆包しらすまん》



2位 《キッシュ・デ・シラス》
画像提供:辻学園調理・製菓専門学校、栄養専門学校